2022年05月13日
HDDの新たな創造: ウエスタンデジタルのリーダーによるOptiNAND™の考察

「イノベーションこそがビジネスを牽引する」ウエスタンデジタルのCEO、David Goeckelerがよく口にする言葉です。
ウエスタンデジタルは、EAMR(エネルギーアシスト磁気記録)、HelioSeal®、トリプルステージアクチュエーター(TSA)など数々のイノベーションで、長い間HDD市場を率いてきました。そして2016年のSanDiskの買収により、社内に専門技術を有するだけでなく、HDDとフラッシュ両方のイノベーションを垂直統合できる世界唯一の企業へと生まれ変わりました。
そしてウエスタンデジタルは、新たなブレイクスルーとなるOptiNAND™テクノロジープラットフォームを発表しました。これによりドライブ開発におけるウエスタンデジタル独自の優位性に新たな命を吹き込みます。
HDD事業部でエグゼクティブバイスプレジデントとゼネラルマネージャーを兼任するAshley Gorakhpurwallaは、OptiNAND発表イベントの冒頭でデータ市場の状況に触れました。「業界筋によれば、今後5年間に生成されるデータは、デジタルストレージの出現以来生成されたデータの倍以上になると予想されています。このようにデータの増加が続く中で、お客様は、膨大な量の情報を格納する必要性に迫られています」。
こうした背景から、ウエスタンデジタルは、テクノロジーとストレージの世界的リーダーシップをHDDと組み込みフラッシュドライブの両面で独自に融合し、お客様のギャップを埋めるために取り組みました。

グローバルテクノロジーおよび戦略担当プレジデントを務めるSiva Sivaramは、HDD開発とフラッシュ開発の相乗効果がいかに独自のフォースマルチプライヤー(戦力倍増装置)として機能し、HDDの容量、パフォーマンス、信頼性を高めるかを説明しました。知的財産と開発部門を擁する当社は、現在および将来にわたり、データの増加に対応するドライブを提供することができます。
Sivaramは述べています。「私たちのビジネスは、大容量化、すなわちスケーリングを継続していくことと言えます。これからもそれを可能とするのがOptiNAND技術なのです」。
OptiNANDはハイブリッドドライブではありません。ドライブにフラッシュを組み込むことで統合と機能拡張を実現し、それによりHDDを強化するテクノロジーです。不揮発性フラッシュに格納されるのは、ユーザーデータやホストデータではなく、メタデータです。その結果、ドライブのパフォーマンス、信頼性、容量がすべて向上します。
OptiNANDは、100エクサバイト以上の出荷実績のあるePMRを拡張するドライブであり、その容量は10年以内に50TBに達すると確信している、とGorakhpurwallaは述べています。このほど、20TB(プラッターあたり2.2TB)のOptiNANDドライブがサンプル出荷が開始されました。この容量密度は、業界のどのドライブよりも優れています。(※)
Gorakhpurwallaは述べています。「OptiNANDの持つ美しさとエレガンスを今後すべての製品ポートフォリオに導入します。この独自のアーキテクチャは、ラボで共に作業するHDDエンジニアとフラッシュエンジニアによって創造されました。NANDセルをドライブに組み込むことができるのは、当社の垂直統合により実現します。これこそ、ウエスタンデジタルがお客様にもたらすエッセンスなのです」。
OptiNANDの詳細については、プレスリリース技術概要、およびOptiNANDの開発経緯に関する詳しいブログも併せてご覧ください。

※…ウエスタンデジタルは2022年5月12日、世界初となる大容量HDD「22TB Ultrastar DC HC570 HDD」および「26TB Ultrastar DC HC670 UltraSMR HDD」を発表しました。詳しくはこちら

著者: Anne Herreria

※Western Digital BLOG 記事(SEPTEMBER 10, 2021)を翻訳して掲載しています。原文はこちら

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