2024年05月10日
冒険写真家Lucas Gilman:極限を捉える

世界的に有名な冒険写真家であり、映画制作も手がけるLucas Gilman氏は、危険と隣り合わせの人生を送っています。世界中を年間180日以上旅して、様々な作品を生み出しています。ヘリコプターに自身をロープで繋いでサーファーを撮影したり、滝から逆さまにぶら下がってカヤックの降下を記録したり、ジャングルで原住民に捕らわれそうになることも。彼は一生に一度の瞬間を捉えることに命を懸けています。

「私が撮影しているその瞬間は、まさに一発勝負の場面なのです」と、Gilman氏は語ります。「例えば、誰も足を踏み入れていない雪山でのファースト・ディセント (初滑降) などは、いつでもだれでも撮影できる、というものではありません。撮り逃したからといって、“もう1回やってくれる?”とは頼めないのです」。

Gilman氏はRed Bull契約アスリートたちが挑むエクストリームスポーツや、ナショナルジオグラフィックが注目する未開の聖地など、世界中の名だたる企業や団体から撮影オファーを受けています。Gilman氏に撮影を依頼するクライアントたちは、独自性が高く、息を吞むような写真を求めて彼に仕事を依頼します。Gilman氏が優れた成果を収めるために必要なのは、壊れたり、故障したり、あるいは容量不足にならない、信頼できるデータストレージです。

冒険写真家への道

Gilman氏はコロラド大学ボルダー校に通いながら作家を目指していましたが、執筆業に加え写真にも熱心で、フォトジャーナリズムの授業を受けていました。ある日の深夜、図書館から帰宅する途中で交通事故を目撃した彼は、持っていたカメラで数枚の写真を撮りました。出来上がった写真をフォトジャーナリズムの授業を教える教授に見せたとき、Gilman氏は教授から米国デンバーで発行されている新聞「Denver Post」に投稿するよう勧められました。

「掲載料として150ドルもらったんです。それで、写真でお金を稼げるんだということに気づきました」とGilman氏は語ります。その後も彼は写真を投稿し続け、出版社でカメラマンのアルバイトを続けました。

年間100日以上も雪原を滑るほどの熱烈なスキーヤーの彼は、アクションスポーツの撮影にも情熱を注ぎました。ワイオミング州ジャクソンホールに住まいを移し、アウトドアの有名ブランド、パタゴニアや、スキー用具メーカーのK2といったスポーツブランドの撮影を引き受けるようになり、彼が持つアウトドアアドベンチャー写真のポートフォリオは、非常に魅力あるものになっていきました。

友人から、コスタリカでのカヤック遠征の誘いを受けたことをきっかけに、Gilman氏の写真家としての第2章が始まりました。彼はアウトドアアドベンチャーの写真を広告宣伝用の素材として企業に売り込むことを考え、異業種ともいえるテクノロジー市場に参入したのです。彼の写真が呼び起こす興奮、正確さ、インスピレーションは、Apple社のノートPC、MacBook Proが発表されたプレスイベント参加へとつながり、以後、数世代にわたるMacBook Proの基調講演に参加することとなりました。

「私は、夢とアウトドアの世界を、より多くの人々やテクノロジーの業界に提案したのです」とGilman氏は話します。

写真提供: Lucas Gilman

データストレージは、極限を捉える

Gilman氏がロケに行く際に持参するのは、複数のカメラやレンズ、そしてライトや三脚、フラッシュメモリカード、ポータブルSSDなどの機材です。スチール写真をルーツとしながらも、現在の彼は、仕事の70%を動画撮影に費やしています。彼を支えるチームには、水中撮影に必要な各種機材を深く知る者や、ドローン操縦士といった、あらゆる分野のエキスパートが集まります。

彼の典型的なストレージワークフローの最初のステップは撮影です。カメラやレンズの進化とともに、データストレージの大容量化やデータ転送の高速化などの要件も、日々進化しています。

「8K/60fpsの映像を撮影できる高性能ミラーレスカメラを使用しています」とGilman氏は説明します。「8Kとなると、ものすごいデータ量になります。動画だと、256ギガバイト(GB)のカードに保存できるのは約6分ですが、私たちが1日に撮影する量は数テラバイト(TB)にもなるのです」。

データストレージの大容量化により重いデータを保存できるようになり、より高い解像度の画像や映像の撮影が可能となります。

彼はロケ地に複数のカメラを持参し、求める結果に応じて異なる解像度で撮影します。最終的なカットが4Kで表示されるとしても、より高い解像度で撮影することで撮影後の編集段階に、よりクリエイティブな柔軟性を持たせることができます。

「この世界のあらゆる撮影・制作現場における悩みのひとつは、大量のデータをどう管理するか、です」と彼は語ります。「美しい風景やノースショアでのクレイジーなサーフィンシーンなど、目の前のシーンを撮影するだけでなく、その映像がどのように表現されるか、ということも考えなければなりません」。

「4Kではなく6Kで撮影すると、シーン内での画面移動やトリミング、わずかな動きを捉えるための拡大などが可能です。2,000ピクセル余分に使えるからです」とGilman氏は言います。動画の保存に、彼は6K撮影用としてSanDisk Extreme Pro SD V60を使用しています。

特殊効果の作成に加えて、6Kと8Kで撮影することで、別の機会でも使える有効なコンテンツとして活用することができると言います。

「YouTubeでは1080でしか再生されないのに、なぜ8Kで撮影する必要があるのかと思われるかもしれません」と彼は言います。「それは、いずれテレビが6Kまたは8Kになる日のためです。今費やしている時間と労力が、来るべきそのときに活かされるのです」。

写真提供: Lucas Gilman

データの移動

画像や映像を撮影したら、次のステップはデータの転送です。このプロセスではスピードが非常に重要です。

1日の終わりに、Gilman氏と彼のチームはすべてのSDカードからデータを転送します。ホテルかキャンピングカーに戻り、その日の映像をアップロードするのです。データは各カメラに挿入されたSDカードから2台の同一のバックアップドライブ (通常は高速転送できるUSB-CまたはThunderboltを搭載したSanDisk Professional PRO-G40 SSD) にコピーされます。

「すべての情報をバックアップに取り込む時間が短ければ短いほど、編集作業や睡眠、そしてクリエイティブな作業に費やす時間を増やすことができます」とGilman氏は語ります。「事前準備の時間を節約することで、より重要な編集作業に時間を割くことが出来て、質の高い仕事をすることができるようになります。クリエイティブな場面、楽しい場面、ワクワクする場面といった、より重要度の高い制作により多くの時間をかけられるようになるのです」。

バックアップは、Gilman氏が行う作業中でも非常に重要です。彼は常に2つのバックアップを保持しており、彼自身が保持すると共に、他のスタッフが別の車で移動する、あるいは別のホテルに滞在するなどして、それぞれを分けて保管しています。万が一のトラブルにより撮影データが失われることを防ぐためです。

撮影が終わると、Gilman氏はカリフォルニア州ピズモビーチのスタジオに戻り、SDカードからG40に移したデータを、大型のSanDisk Professional 4-bay8-bay G-RAID shuttlesに転送します。8-bay shuttleにはすべてのデータを保管し、4-bayでは厳選したシーンの編集を行います。

過酷な条件

Gilman氏はSanDiskアンバサダーチームの一員として、15年以上にわたりウエスタンデジタルのSanDiskソリューションを使用してきました。彼は高い耐久性と過酷な条件に耐えられる性能を求めて、同社のデータストレージを選びました。

思い出深いのは、アイスランドで極寒の夜明けに行われたプロサーファーの動画撮影です。

「アイスランドでの撮影には、耐候性のある機材が必要です。極端な温度の変化に対応できるメモリーカードが必要です」とGilman氏は説明します。「室温21度の車内から氷点下の車外に出たとき、急激な気温の変化に対応して、それでも機能し続ける必要があります」

春の終わりから夏にかけて、アイスランドには白夜が訪れます。そのタイミングでの撮影のために、Gilman氏は必要な時間と機材の予算を慎重に立てます。

彼は日々の計画に撮影計画アプリを使用しています。アプリでは、地形、日の出/日の入時刻や月の満ち欠けカレンダーなど、あらゆる情報を活用して必要となるデータストレージの容量を推定するのです。

1台のカメラに装着するメモリーカードが1TBだった場合、そのバックアップにも当然1TBの容量が必要になります。撮影期間が15日間であれば、SDカード、バックアップ用データストレージ、そしてバックアップのバックアップ用としてさらにもうひとつのデータストレージと、それぞれに15TBが必要です。

「1日あたりに何TB必要かを計算します」とGilman氏は述べます。「そこに、20%を上乗せします。なぜなら、目を見張るような波が打ち寄せる最高の一日となって、日の出から日没までを過ごしたくなるような日があるかもしれないからです。容量不足になって夜中に画像やクリップを削除しなければならなくなるような事態だけは避けたいのです」。

写真提供: Lucas Gilman

極限の冬

Gilman氏の次なる仕事は、彼の自宅に近い、カリフォルニア州のシエラ山脈でのプロジェクトです。記録的な大雪となった年の翌夏に予想される、膨大な量の雪解け水が流れる様の撮影に挑みます。

「今までの人生で見たことのない水量を目にすることになると思います」とGilman氏は語ります。「このドキュメンタリーでは、世界的なカヤック選手である、チリとドイツのRed Bullアスリート2人が、過去15年間干上がっていた川に流れる雪解け水をカヤックで下ります」。

使用するのは毎秒1,000コマを撮影でき、水滴1粒1粒を捉えることができる特殊なハイスピードカメラです。

Gilman氏は、自身の成功要因の1つは彼の技を実現するテクノロジーだと考えています。

特殊なカメラ、精密なレンズ、人目を引く画像を撮影する彼のスキルによって作り出される魔法には、その素晴らしい瞬間を捉えて保存するストレージが不可欠です。

「ウエスタンデジタルのSanDiskとSanDisk Professionalブランドは、私の生活のバックボーンです。信頼できること、そして確実に撮影データを保管できることが、一瞬を捉える写真家として何より大切なことなのです」。

著者: Anne Herreria

※Western Digital BLOG 記事(JUNE 6, 2023)を翻訳して掲載しています。原文はこちら

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